内臓下垂は治るのか?の記事がnaturaのブログ検索トップ3に入っています。
それだけ内臓下垂にお悩みの方がいるのだと思いますので、新たな視点から内臓下垂と自律神経の関係性を、そして改善の可能性はあるのかをお伝えしたいと思います。
内臓下垂とは
腹部の内臓が下垂した状態のことを指します。胃をはじめ、肝臓、腎臓、脾臓、腸など、腹部内臓のすべてまたは大部分が下垂した状態です。性別では特に女性に多く痩せ型の人に見られます。
症状または所見
・食後に胃腸が張った感じがする
・食欲がない
・頻繁に腹痛がする
・頻尿もしくは過剰に尿意がする
・疲労感
・食後に下腹がぽっこり出る
・痩せているのに下腹だけが出ている
・お腹だけは痩せない
・触れるとパンと張っている
中には無症状の人も多くいます。主には見た目で判断できるものであり、いわゆる「ぽっこりお腹」として確認できます。X線検査では胃が骨盤腔(くう)に下垂しています。
原因
1、体幹の筋力不足
主な原因として、体幹の筋力不足が挙げられます。筋肉は全身のバランスが大切ですが、内臓下垂に関連する主な筋肉は腹部です。
インナーマッスルという身体の深層に存在する筋肉が効いていません。また、筋肉は連動して働く必要がありますので、アウターマッスルである腹筋群も大切です。これらの筋肉がバランス良く働いていることで内臓を支えられます。
筋力低下の原因も様々で、以下のものがあります。
○呼吸が浅い
naturaは自律神経専門に整体を提供していますが、ストレスが多い人はぽっこりお腹が目立つ人が多いです。
過度なストレスは交感神経過敏の状態になり呼吸を浅くし、横隔膜の下にある肝臓や胃腸などの内臓の働きを低下させます。骨盤内には内臓が存在していますので、内臓疲労は骨盤の歪みを招き、骨盤周囲の筋肉を適切に効かせられない状態になります。
また、呼吸はインナーマッスルの働きに関係しています。呼吸が浅くなると不自然な腹圧になり、お腹に適切な力を込められない状態になります。
○身体を使うことが少なく、体幹を使うイメージがない
これは運動をしていない、または運動経験が少ない女性に多い傾向にあります。
人は立ったり歩いたりでも多くの筋肉を使いますが、現代の機械社会では歩くことや毎日の掃除などで足腰を使わなくなり、日常生活で身体を動かすことが減っています。
運動神経や筋肉は使わないと衰えていきますので、運動不足や身体を動かす習慣が少ない人は内臓下垂が見られる事があります。
○頭で過剰に考え事をしている
ストレスが多く過剰に考え事をすると、頭や上半身に意識が集まり腰が抜けたような状態になります。するとお腹の意識が抜けて、体幹の筋肉を効かすことが難しい状態になります。
特に介護をされている方、悩み事がある、職場などストレスがかかる環境にいる方に多い傾向にあります。
2、姿勢
骨盤内には内臓が入りますので、主に内臓下垂に関係するのは骨盤の歪みです。骨盤の歪みは体幹の筋力低下に繋がります。
デスクワークやスマートフォンの使用などにより猫背や反り腰などの不良姿勢、機械社会による運動量の低下などで体幹の筋力が弱なり骨盤の歪んでいる人が多いです。
この状態が長引くと身体の使い方が悪くなったり不自然な腹圧のかかり方に繋がっていきます。
3、アンバランスな身体の使い方
過去に捻挫や転倒などの外傷や交通事故などで身体に不自然な外力が加わり、そのままの状態にしておくと捻れが定着してしまい、身体の使い方がアンバランスになってしまいます。
4、産後
難産、分娩時の吸引、会陰切開や帝王切開などで産後に体調が整わないことも1つの原因です。
順調な産後であれば骨盤は戻るようになっていますが、産後の体調が良くない、長期臥床やストレス、運動不足などが重なり結果的に内臓下垂を招いてしまいます。
5、腹部の手術後や帝王切開後
影響のある手術としては子宮や卵巣、胃や腸、帝王切開などです。腹部の手術は体幹前面に癒着を起こします。
体幹前面に癒着が起こると前傾姿勢を招き横隔膜が働き使づらくなり呼吸が浅くなってきます。前述した通り呼吸はインナーマッスルの働きに大きく関係している為、内臓下垂の原因にもなり得ます。また、骨盤の歪みが出てくるので体幹の筋肉が使いづらくなります。
6、食生活の乱れ
食生活の乱れは内臓疲労の原因になり骨盤を歪ませます。現代は食べ物が簡単に手に入る豊かな時代です。
それ故に食べ過ぎや飲み過ぎが習慣化してしまい、慢性的な内臓疲労が定着している人も多くいます。特にお酒の量が多い方には内臓下垂が見られます。
7、ホルモンバランスや体調によるもの
食べ過ぎや飲みすぎ、または糖質が多い食事が続いた時、便秘などで胃腸の調子が悪くなると骨盤の歪みが出てきます。
また女性は月経周期も関係します。ホルモンバランスの変化により月経前から月経中にかけて下腹部だけがぽっこりと出てくることがあります。
これらは体調による一時的なものになります。誰にでも起こり得るもので回復すれば元どおりになるので、あまり気にする必要はありません。しかし、元々内臓下垂がある人は体調やホルモンバランスの影響を強く受けて、さらに下垂が目立つ傾向にあります。
内臓下垂は改善可能なのか?
結論としては改善可能です。
経過としては施術で呼吸や姿勢を整えていく上で早めに改善される方も見られますし、複数の原因が絡んでいて長期的に見ていく必要がある方もいます。原因を知り適切な方向性で取り組めば、早い遅いはありますが改善をしていきます。
私達の経験上、内臓下垂は施術で改善するものに加え、クライアントさん自身の努力が必要になるものでもあります。
整体サロンnaturaでできること
1、自律神経を整えることでストレスを緩和し呼吸の状態、内臓の状態を正常に戻します。
2、全身を整え不良姿勢の原因を解決します。
3、術後であれば、術部の皮膚や筋肉、内臓の状態を整えていきます。
4、その方にあった筋肉の使い方や家で簡単にできる運動をお伝えします。
5、食生活のアドバイスをお伝えします。
どの症状もそうなのですが、特に内臓下垂は施術者だけでなくクライアントさんも一緒に原因を解決していかなくてはいけません。すぐに効果を求める方も多いとは思いますが、内臓下垂は今までの生活習慣や身体の使い方の結果でなっています。
筋肉の使い方については身体の使い方や腹圧のかけ方を再教育する必要がありますし、いい状態が定着するまではストレスや置かれる環境の影響、不摂生により、元に戻ったりよくなったりを繰り返しやすい症状でもあります。しかし、きちんとした経過を辿る上で変化が見られていき、やがていい状態が定着していきます。
私達にできることは内臓下垂の原因を見つけること、整体で身体を整えていくこと、そして正しい方向性を定めていくアドバイスをすることです。
整体サロンnaturaでは内臓下垂の症状で来院していたわけではありませんが、内臓下垂を呈している人が多くいます。定期的にメンテナンスしていたらいつの間にか内臓下垂が気にならなくなっていた、という例も数例あります。
改善のために必要なポイントとアドバイス
まず必要不可欠なのは自分の原因と正しい方向性を知ることです。
自己判断でインターネットの情報を拾ったり、誤ったエクササイズは返って内臓下垂を助長させ、逆に遠回りになります。ぜひ一度、身体の事をよく知った専門家に客観的なアドバイスをもらうという視点を持ってください。
何をしても改善されなかった、というお話もお聞きをしますが、それは正しい原因を知らず、間違えたエクササイズや食事法などに取り組んでいるからでもあります。クライアントさん自らが原因を把握して受け止める事、そして方向性を間違わない事が早期改善の第一歩です。
そして生活習慣や身体の使い方も一緒に改善していきながら長期的に取り組む視点を、慌てず焦らずに取り組んだ方が早く結果が出やすいです。
結果を急ぐあまりに焦ると、呼吸が浅くなり内臓下垂を助長させます。また、呼吸は精神状態にも影響するので、悪いところばかりに目が向けられてしまいます。
まずは原因を知り方向性を定める事、その上で身体を日頃から整え、焦らず人と比べず、淡々と日々の生活を見直すこと。一見すると遠回りのようで近道なのです。そうする事で身体は必ず応えてくれます。
来院の回数と目安
最初の4〜5回は1週間に1度をオススメしています。内臓下垂においては長期的に取り組む視点が大切ですので、その後は、身体の反応を考慮しながらどういう使い方をしたいか、を相談の上で決めていきます。
私達の経験上、月1のメンテナンスを継続されている方の改善が多いので、お伝えするエクササイズをしていただき、時々メンテナンスでチェックをしながら取り組むことが理想的です。
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